きぬなう

日常の記録

切ない朝

朝起きてカーテンを開ける。その後おもむろにクワガタのケースの前にしゃがみ込み、蓋を開けて土を水で湿らせてから餌の減り具合をチェックするという日課が昨日で終わった。持ち主が回収に来たのだ。

約二週間滞在していたクワガタたちのうち、お会いできたのはたったの1匹だけ。それもある日少し陽が昇って洗濯物を干そうとベランダに出たら、その1匹がひっくり返って足をバタバタさせていたのだ。お前は一体いつからそこにその状態で⁈と、かなり驚いた。というのも朝の恒例行事から1時間以上は経っていたからだ。おそらく蓋の裏に密かに張り付いていたのを見落とし、蓋を放置して餌などを交換している間に脱走したのだと思うが、ケースのすぐ近くで確保したので、ずっとひっくり返りっぱなしのバタ足状態だったのではないかと思われる。クワガタにとってそんなことは日常茶飯事なのだろうか。

クワガタ回収直前、結局1匹しか会えなかったと持ち主に伝えた。するとその場で土を掘り返して1匹、また1匹と次々と土の中からクワガタたちを引っ張り出し、ほら、と見せてくれた。そんな乱暴な行為、アリなんだ…と思いながらたくさん出て来た大小様々のクワガタたちをしばらく眺めてお別れした。はじめまして、そしてさようなら。毎朝欠かさずやっていた無人ケースの不毛な整備も終了したのである。

楽しみが一個減ったな。